内容紹介

満月の夜、恋しい人を想いその想いが狗神憑きとなり男の躰は狗と変わる。狗神憑きとなったモノは本能のままに女を犯し喰らいつくす。人知れず月光の中猛り狂う狗神憑き達を狩る少女・犬神サクヤがいた。血塗られた宿命に翻弄され、血を纏い、人の呪言を浴び戦うサクヤの行く末とは……

ギャグにバトル、そして美少女と丸山トモヲとして描いた「円卓の姫士」から一転。ペンネームを変えて描いたのは悲しき宿命を背負う少女がヒロインの和風ダークファンタジー作品。1巻はヒロインのサクヤ視点ではなく、サクヤと狗神憑きとの戦いに巻き込まれるゲストキャラを主人公にした視点で描かれます。いきなり長編に入らず、狗神憑きとはなんなのかを短編で描くことによって読者にわかりやすく世界観を説明しているのは上手い。そして3つの物語を終えて、サクヤをヒロインとした狗神憑きとの戦いの物語に入ります。「円卓の姫士」の時同様、戦いのテンポにスピード感は引き継ぎ、さらに人肉を喰らう狗神憑きの恐ろしさと強さ、血なまぐさい戦い。そして絶望感を見事に描いています。ダークファンタジーとしては注目のシリーズです