グレイプニル(1)

内容紹介

勉強はできるし、友達もいる。ちょっぴり恵まれてはいるけど、まぁフツーの男子高校生・加賀谷修一は、バケモノに変身してしまうというヒミツを持っている。世にも恐ろしいバケモノ……ではなくゆるキャラ系のバケモノに!!
かつて彼が愛した平穏な日常は、ある日突然奪われた。それは、ちょっとエッチでかなり危険なBoy meets Girl!!
山間の小さな町に起きた異変――それは、加賀谷修一の望んだ平穏を奪い去った。どうして僕はこんな姿に変身してしまうのか? そして、どうして僕は彼女と出会ってしまったのか? 武田すんが描く「着ぐるみ生命体」と「勝利の女神」の奇想天外な物語。決して離れられない2人は、奇妙に歪んだ世界の中で自分たちの運命を切り開く――!!

コメント

ある日突然「着ぐるみ型の“怪物”」に変身する能力を得てしまった少年・修一と、怪物化した実の姉に両親を惨殺された過去を持つ少女・クレアとの出逢いから始まる、著者:武田すん先生が贈る、危険極まりないボーイミーツガール作品「グレイプニル」の第1巻が待望の発売です!
両親を“怪物”と化した姉に惨殺された“事実”を誰にも受け入れて貰えぬ事に絶望し、一度は死を選んだヒロイン・クレアが初めて掴んだ“手掛かり”である主人公・修一の存在に執心し、修一の力に依存し、そして、修一の身体に侵蝕してゆく過程を性行為の暗喩と共に描き出したストーリーから漂う淫靡な芳香、そして、怪物と化した修一の背中にあるチャックを通じてクレアの全身が“合体”して“操縦”し、文字通り“一心同体”となった二人が“敵”の骨を砕き、土手っ腹を撃ち抜き、遂には絶命へと至らせる、凄惨極まるバトルシーンの強烈無比たるインパクトは、中毒的な快楽に包まれた読後感を読者にもたらす事必至と断言しちゃいます!　半ば人間の姿を残した初めての“敵”を倒し項垂れる修一の背中から、全身を汗と修一の体液とで塗れたクレアが“羽化”するシーンのエロさなんて、ぶっちゃけトンデモ無いですよ!?　後日その時の快感を煽情的な仕草と共に嬉々として語り、修一と死ぬ時は一緒の一蓮托生を語るクレアの歪んだ依存性はヤンデレどころの比では無いですよ!?　そして、修一がゆるキャラ風味の着ぐるみへと変身してしまうと云う一見冗談みたいな設定が、更なる狂気を宿した“とある人物の言葉”から唐突に意味を持ち始める本巻の“ヒキ”の巧さと来たら、早くも次の展開が待ちきれないのです!!
自分の心を押し殺してまで平穏な人生を選び続けた気弱な少年が“狂気”を宿した世界の“不条理”に巻き込まれてゆく恐怖とエロティシズムに彩られた光景が脳裏に焼き付いて離れない、まさに驚愕のストーリーを是非とも体験して頂きたい担当個人的にも超一推しのオススメ作品!　全編に渡りディープでダークな展開が続く中、時折挿入されるコメディチックな描写に読者の緊張感を和らげる効果を持たせたストーリーの緩急も素晴らしい、著者:武田すん先生の力量が余す所なく発揮された本作の面白さを愉しんで戴けたら幸いです!
コメント:渡邉 3/17UP