ハーモニー(2)

内容紹介

核兵器による世界的危機をへて、生命主義を掲げる高度な医療福祉社会が確立された近未来。　

突如、目の前で起きた友人キアンの死と、それと同時刻に世界中で多発した自死事件。

真相をさぐるトァンは、事件の背景に13年前に死んだ最愛の友人、ミァハの存在を感じはじめる……。

コメント

人間の想像する未来像ってのは、その時代で変わるものです。伊藤計劃がハーモニーでえがいた未来像は過剰なまでの健康志向、オープンな個人情報、行き過ぎた親切心……気持ち悪さを感じながらも今という時代から創造するとたしかにありえる未来だとおもいます。たとえて言うなら健康なディストピア……清潔すぎる未来というのもなんです。某壊し屋も言ってます。「いい年した童貞が白いべべ着てミルク飲みながら政治を語るだってっ!? そんな未来冗談じゃねぇ」っと。とはいえこんな未来がないともいえないのが、伊藤計劃さんのすごいとこなのかなとおもいます。