【オススメコメント】
タイトルが放つ暗黒のオーラとは裏腹に、なんか清涼感のある表紙がやっぱり不穏なアベトモ先生久々の新刊「死に日々(2)」です。自分だけが足りない。自分だけが間違っている。自分だけが良くない。なんでオレだけ私だけ。ガキっぽいような、でも誰もが知っている感覚。そういう「上手くいかなさ」が時には喜劇に、時には悲劇になって襲い来るのです。
2巻となる今回は寓話的というか、抽象的な表現を多用して煙に巻いてくる作品が増えてきた気がします。インパクト重視だった「空灰」に対し、読み込んで、頭のなかで消化して、気づくと暗黒にまとわり付かれているような感じというか、分かれば分かるほど重い気持ちにされるような仕上がりを見せています。一方でライト属性の方は相変わらずの軽妙さで愉快。佐々木さん可愛いですってば。でも今回一番フックしたのはねこ人形のお話ですかね。たった4ページでここまでモヤモヤさせて、そのまま終わらせるアベトモクオリティ。鬼才はなお鬼才です。
コメント:中村
12/7UP