【内容紹介】
医療・介護×コンシェルジュ!!伝説のホテルコンシェルジュを父にもつ最上優菜。18歳になった優菜は介護士として働き出す。しかし、そこは人が終末期を過ごし、様々な家族模様・人間模様が渦巻く緊張感ただよう現場だった――。
“人の生死を看取り”、“人生の最後を幸福に飾る”という最も慎重な思いやりが求められるプレッシャー!!お客様のご要望のために、優菜は最上クラスのおもてなしを届けることができるのか――!?
【オススメコメント】
【コンシェルジュ(concierge)】とはサービス業の一つ。顧客のあらゆる要望に応える事をモットーとする、『総合的世話係』の職名です。と、本シリーズの読者さんには今さらにも程がある解説を差し挟んでみました。藤栄道彦先生の代表作「コンシェルジュ」の第3シリーズです。主人公は最上さんの娘さんで、いろいろあったけど健やかに育ってくれたようで何よりでございます。でけえし。でもパパには優しくしてあげて欲しいと思う今日このごろ。
ところでタイトルの【インペリアル(imperial)】とは、「皇帝の・最上級の・威厳のある」という意味を持つ言葉です。そして、今回の現場は介護サービス。人生の最後を穏やかに、幸福に飾る事を使命とする仕事。威厳のある最期とは最上級の優しさがあってこそ、という事なのでしょう。ちょっとお茶目なロボット君と、深い悲しみを乗り越えて生きる少女のふたりが、どのように「最上級のコンシェルジュ」となっていくのか? とても重いテーマながら、爽やかな優しさと成長する若者のたくましさが、温かい気持ちにさせてくれる。こういうのが藤栄先生は本当に上手いのです。この重いテーマを正面から、かつ陳腐にせず描き出すのはそうそうできるもんじゃない。これもまたコンシェルジュの仕事と言えるでしょう(上手いこと言った感)。
コメント:中村
4/18UP