【内容紹介】
闇の底から『魔神』が目覚めるとき、運命の神は六人の勇者を選び出し、世界を救う力を授ける。いかなる手段を用いても勝ち抜き生き残る自信を持つ地上最強を自称する少年アドレットは、その六人、『六花の勇者』に選ばれ、魔神復活を阻止するため戦いへ向かう。
だが、約束の地に集まった勇者はなぜか7人いた。結界により森に閉じこめられた勇者達は7人の内ひとりが偽物で敵であると気付き、疑心暗鬼に陥ってしまう。
そして、真っ先に疑われたのはアドレットだった。襲いかかる勇者達の攻撃から逃げながらアドレットは敵を見いだすことができるのか?
ファンタジーとミステリーが見事に融合した山形石雄新シリーズ開幕!
【オススメコメント】
「戦う司書」シリーズが完結して1年半。新シリーズを引っ提げて山形石雄氏が大復活!そしてその新作は見事としか言いようのないシリーズ開幕でしたよ。
どんな変化球できてくれるのかとワクワクしていた気持ちをさらに2巻はまだかという欲求に変えてくれたすばらしい作品です。い~や~、ぶっちゃけ、デビューシリーズがヒットすると次のシリーズは大抵予想よりも↓になってしまうというのが定番なのですが、才能ある作家はそんな定番を払拭し、連続で面白い作品を仕上げられると教えてくれました。
今回の主人公は他の勇者達に比べすべてに於いて秀でるモノがない平凡人。だけど自分が地上最強ということを信じ、どんな状況に陥っても笑うことを忘れない異常なまでにポジティブ主人公。そんな主人公が偽物と疑われ、勇者達の追及から逃げながら本当の偽物を見つけようとします。
魔法、剣、銃、格闘でない技で戦いを生き残る強さと自分を信じ切る格好良さ。今までの主人公とはちょっと違う魅力を持つキャラクターです。
そして、暗殺者に幼女に無表情少女に格闘おばさんと癖のありすぎる多彩な能力を持つ他の勇者達も魅力的です。驚きの展開の先に何があるのか?
それは読んでみてのお楽しみです。