幻の花 白山宣之傑作集

内容紹介

白山宣之氏は、大友克洋氏らと同時代に活躍し、その後多くの漫画家にも影響を与えた個性的な作品を数多く残しています。
一方では、これまでにマガジンハウスから『少年塔』『10月のプラネタリウム』(単著)が刊行されたのみ(いずれも絶版)という寡作の人でもありました。
作品に対するゆるぎないこだわりと情熱は多くの漫画家たちからも支持を受け、2012年に亡くなられた際には、白山氏を偲ぶ仲間の呼びかけで遺作集『地上の記憶』(双葉社、2013年)も出版されました(「本の雑誌が選ぶ2013年度ベスト10」選出)。

本作は、既刊『少年塔』ならびに『10月のプラネタリウム』からセレクトした短編作品に、復刊ドットコムリクエストでも人気の高い『あはは、まんが』(角川書店、1984年)に収録された「サザンクロスの秘宝」「燃える北極光」の2篇を加え、さらに推理小説の表紙を手掛けたカラーイラストレーションや単行本初収録となる短編3篇を含めた、豪華作品集です。
日本人の心に残る在りし日の原風景、高潔且つ琴線に訴えかける独特の澄み切った世界観を、ぜひ本作で存分にご堪能ください。

☆☆☆本書の特長☆☆☆
1.『あはは、まんが』に収録された短編2篇を収録!
オムニバスマンガ『あはは、まんが』(累計リクエスト129票/2015年9月現在)に収録された短編2篇「サザンクロスの秘宝」「燃える北極光」を収録!
2.ここでしか読めない珠玉の短編作品がずらり。どれをとっても逸品ぞろい。
3.単行本初収録となる短編3篇も掲載!
4.巻頭にはカラーイラストレーション(8ページ)を収録。
『待っている』(レイモンド.チャンドラー著 製作年不明)、『血の収穫』(ダシール.ハメッド著 1988年)など、往年の創元推理文庫に描かれたものを中心に。
5.装丁は日本を代表するブックデザイナー多田進氏。

▼主な収録内容(予定)
SCHOOL DAYS
INNOCENT
エゼキエル・ナウ(単行本初収録)
GOLDEN SLUMBERS
トマトの値段(単行本初収録)
サザンクロスの秘宝
燃える北極光
六分儀
リボルバー(単行本初収録)
宇宙大怪獣ギララ
Lunatic
写真　ほか

▼著者プロフィール
白山宣之(しらやま のぶゆき)
1952年長崎県生まれ。幼稚園まで同地で過ごし、一家で上京後、江ノ島、生まれ故郷の吾妻町、福岡、と3回転校し卒業。福岡の高校を経て、再び上京。その後長らく高円寺に暮らし1996年に埼玉県に移住。2012年4月没。
1974年ガロ(青林堂)でデビューし、アシスタント時代は宮谷一彦、みやわき心太郎に師事。その後「ヤングコミック」(少年画報社)、「漫画アクション」(双葉社)、「マンガ奇想天外」(奇想天外社)、「モーニング」(講談社)、「COMICアレ!」(マガジンハウス)、「斬鬼」(少年画報社)などに短編を発表。
1995年には初の単行本『少年塔』、1997年には『10月のプラネタリウム』がマガジンハウスから刊行。このほか、山本おさむとの共著『麦青』や、大友の短編『G…』の原作などを手がける。