おっさん、不労所得で帝国を導く

内容紹介

幕僚として勤め皇帝からの信も厚い若手魔導師・リュウ・クレソン。同僚からも好まれ、彼らの子供を預かり教育することもしばしば。ところが良く思わない一派から王庁での政争を仕掛けられ、嫌気がさして辞職することを決意。皇帝の覚えが良かったため、形式上は転職の形を取ることになったリュウ。赴任先には「食いっぱぐれないし趣味に没頭出来る」と小麦農園を選んだ。そして有り余る時間と、自分はなにもしなくても上がってくる農園からの不労所得、さらにいくらでも手に入る小麦を使い、趣味の料理を追求した結果……暇つぶしに王都で屋台を始め、時折遊びに来る教え子達の成長を楽しみに見守っていた。
――彼は知らない。教え子達の働きによって、自らの名が今も帝庁に響いていることを。
そして――教え子たちを使って背後から政治を操っていると噂されていることさえも。