きみのために世界はある

内容紹介

図書室に篭もる本の虫ひびきと、快活で友達も多いなる。 正反対な彼女たちは、 放課後に図書館で二人の時間を過ごすのが日課。 しかし運動のできるなるを縛ってはいけないと、 ひびきは運動部への入部を勧めることに。 それを聞いたなるは「一緒にいられる時間が惜しい。 だってひびきのこと好きだしっ」 と流れで告白してしまうのだが……

表題作「きみのために世界はある」を含む6編を収録。 瑞々しい女性の感情を丁寧に描き出す、 『欠けた月とドーナッツ』の著者が贈る珠玉の百合短編集。

コメント

百合と言ってももはや色々なジャンルに細分化しているため、自分の好みの作品を探すことが困難になっている昨今。 百合も男女恋愛も基本的に好きになっていく過程までが好きなため、肉体関係まで進むともういいやとかになってしまったり、恋愛展開も好みが激しいのでなかなか百合作品でコレだ!というのが少なくなっていましたが、担当ドストレートの短編がまとめられている作品がありましたので、久しぶりに百合オススメです。
特に二人が秘密を共有していく中で、好きになっていくという展開がたまらなく、読んでいて小っ恥ずかしいほど青春をやっている展開が好きなのです。そんなわけで下記の要素が好きという人に全力でオススメしますよ～

・一方通行の気持ちを抱え込む展開からの気持ちが繋がることを描いている
・二人しかしらない秘密を共有することで近くなっていく
・ドロドロ展開なし
・肌を触れ合う位のプラトニック系が多い