【内容紹介】
太古の昔、神々が繰り広げた莫大な力を秘めた<珠>を求める熾烈な戦いは邪神トラクが倒れることで終止符が打たれた。年月が過ぎ去り、神々の戦いが神話となった頃、一人の少年の登場で世界が動き始める。
老人ウルフの物語を楽しみ、叔母ポルの料理を愛する平和な農園で暮らすごく普通の少年ガリオン。しかし、彼の平凡な人生はある日を境に一変する。<珠>を求め、世界の命運を賭ける冒険が始まった。
【オススメコメント】
おもすぃれーー。と声を大にして叫びたいほどハマる正統派ファンタジーがイラスト変えて復刊ですよ。
自分が何故一緒に旅立たないといけないか理由を知らず、役に立ちたくても足手まとい。強くて高名な仲間達の中で自分のふがいなさを恥じ、隠された力の発現に力の強さを恐れおののくガリオン。苦悩し成長していくガリオンと心優しく強い仲間達とのやりとりが非常に巧く描かれている作品です。海外のファンタジーには珍しくエロシーンは少なく、話の展開も流れるように進むのも異色。さらには究極のツンデレ王女セ・ネドラが色を添える。
そして旧作ファンを打ちのめすかのようなHACCANの表紙イラストは素晴らしいの一言。今風でいいじゃないか。長作、大作と呼ばれるものは今更感と取っ付きにくい感があって遠慮しがちですが、一番現在のライトノベル読者が受け入れやすい作品なだけに目を引き手に取らせるには効果的な方法ですよ。
海外作品特有の文字詰めまくってベルガリアードの1巻446頁。2巻は574頁。勿論挿絵など軟弱なものはなし。気合い入れて読むだけの価値がある作品です。
注意:初めてこのシリーズを読む人は必ず「ベルガリアード物語」から読んでください。正しい流れは「ベルガリアード物語」→「マロリオン物語」→「魔術師ベルガラス」→「女魔術師ポルガラ」です。最初にマロリオンを読んでしまった日にはネタバレ満載で即死間違いなしです。