内容紹介

主人公・高野洋介は、下宿先の櫻田家の家主である未亡人・櫻田春菜と二人きりの生活を営む大学生。若々しくも大人の色香漂う彼女の存在は、洋介に淫らな妄想を抱かせる以上から進めない憬れの存在でしかなかったが、ある日泥酔して意識が混濁した春菜とセックス寸前の関係に至ってしまった事で二人の関係は一変するのであった……。

可愛さと艶やかさとが同居した女性の魅力を描き続ける、前田千石氏の最新刊が登場なのですよー。ここ最近の著者単行本とは趣が異なり、主人公とヒロインとの間に横たわっていたコメディ要素は一切廃した、背徳と良心との間で揺れる春菜と洋介それぞれの機微を克明に綴ったシリアスストーリーを堪能出来る長編作品。亡き夫に操を立てた自分を律しながらも、洋介の慕情を知ってか知らずか自分を拒絶しない彼に甘えて肉欲に沈む春菜の姿を描いたストーリー展開が余りにも扇情的で、夫以外の男性と初めて重ねた身体の重みに溺れ、次第に洋介に惹かれゆく自分に心痛める春菜の背徳感を、読み手の期待感と不安感とを煽りながら描き抜いたその内容は、充足の読後感を以て迎える事が出来る必見の出来なのです。現時点では恋愛物語とも背徳の肉欲作品とも採れるストーリー展開に惹き付けられ、爆乳グラマラスなヒロイン達の肢体を劣情的に描き抜いた濃密なセックス描写も流石の一言。そんな、亡き夫と洋介との間で揺れる春菜の”心”から一瞬たりとも目が離せない、担当一押しのオススメ単行本です。
コメント:渡邉 10/27UP

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