死にたがりの尺度 淡田青 連作短編集

内容紹介

「どうも、死神です。あなた今、死にたいと思ってるでしょう?」

友達同士、楽しく仲良く。

ちょっとした行き違いが命取りの、緊張感あふれる、楽しい(?)学校生活の中で、ある日、〝地雷〟を踏んだフツーの女子高生・尾本サワ。

トモダチという名の「同調圧力」とやせがまんの「ぼっち」生活に疲れた
サワの前に現れたのは………、え……っと、〝自称〟死神!?

僕やあの子も悩んでる、トモダチの「あっち側」。

死にたい女子高生、放課後の「デス」パレート。

コメント

日常に根ざした心模様の描き方がヒーローズっぽくない(失礼)、淡田青先生の初連作が単行本となりました。でも描き文字の迫力とかそれっぽい気がする。
生き辛さを感じずに生きていられる人ってあんまいないですよね。世界を変えるどころか、友達の心一つすら自分ではどうにもできなかったりして、自分の力の小ささにビックリすることがあります。まあでも、どうしようもない事はどうしようもないのだからしょうがないのです。そうやって開き直ってみると、案外大丈夫な自分がいたりする。サワちゃんが感じている「嫌だ」も「こわい」も「あれ意外と平気だ」も、何かしら自分にも覚えがあるなあと思うこと請け合い。意外と自分は弱いし、案外それはなんとかなる。そういう事を正面から描いている本作は、とても誠実に人間を描き出しているのだと思います。
コメント:中村 9/4UP