内容紹介

猛獣や魔獣が跋扈する森の奥の小さな洞窟。その入り口近くに、一匹の火竜が舞い降りた。竜は一つの卵を産み落とし、土に埋め、束の間の狩りに出かけ、命を落とす。後には冷え死ぬだけの卵が残るだけ。しかし、そこに一匹の母猫がやってくる。母猫は卵が埋まった土の上で三匹の子猫を生んだ。さらには体温の高い子猫たちがそうとは知らず竜の卵を温め続ける。――こうして竜の子が孵ったのは、子猫たちが生まれてから四日後のことであった。猫たちは、このちょっと変わった「火を噴き空を飛ぶ“猫”」を、家族に加えて生きていく。これは猫に育てられた一匹の竜と猫、そして人間たちの、温かくて、不思議で、ちょっと切ない物語。小説投稿サイト「小説家になろう」短編ランキングで長期にわたり上位にランクインするあの作品がついに書籍化! 書き下ろしの新エピソードも特別収録!

ファンタジー小説です。なろう系ですが、まごうことなきまっとうなファンタジー小説です。どちらかといえばお伽話めいた感じのファンタジーです。子供から普通の大人、ラノベに汚れた大人まで楽しめるなろう系にしては珍しいタイプです(超偏見) 竜を育てた母猫の話、猫に育てられた竜の話、魔法使いの少女に召喚された母猫の話……それぞれがゆるいつながりを持った猫と竜と人間がいるファンタジーの日常を描いた短編。少女と白猫の話や、教会に住むハイブチの話など単行本の約半分は書き下ろし、半分書き下ろしってすごいよね。WEB版のファンも買って欲しい1冊です。でも、猫と竜TRPGは収録されてなかった……。

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